1. 館長あいさつ

館長あいさつ

ごあいさつ

 新年あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。
さて本年も、おきみゅーでは多くの展覧会、イベントを揃えて、皆様のご来館をお待ち申し上げております。
博物館の常設展・歴史部門展示室では2024年3月3日までの日程で、『特集展「沖縄1935」』が開催されています。1935年、大阪朝日新聞のカメラマンが沖縄を訪れて取材し、その時に撮影された多くのネガが2013年に偶然発見され、その写真パネル類を2023年に朝日新聞西部本社より当館に寄贈していただき、展示公開しています。写真には戦前の人々の様子がいきいきと映し出されています。糸満・古謝・那覇・久高と4回に分けて展示替えを行います。一方、美術工芸部門展示室では2024年3月10日まで、『神山政良(かみやま せいりょう)コレクション展』を開催いたします。神山政良は1909年に大蔵官僚となり、沖縄の振興や復帰に力を尽くした人物です。また、尚泰王の娘と結婚した縁もあり、そのコレクションは王家ゆかりの着物や器、書籍、絵画など多岐に渡っています。当館へ寄贈していただいた20件の資料を公開しています。
 また特別展『海を越える人々(後期) 旧石器時代』も、2024年2月12日まで開催されています。旧石器時代は、直立二足歩行・脳の発達、火や道具の使用については注目されてきましたが、絵画や埋葬など現代につながる象徴的行動を含めて身体的・文化的な基盤が形成された時代について多角的に紹介しています。
一方、美術館では『照屋勇賢 オキナワ・HEAVY・POP』が2024年1月21日まで、開催されています。ベルリン・沖縄を拠点に活動する照屋勇賢の初期から最新作が展示され、彼の全体像に迫る個展です。照屋の作品は現代社会を生きる人々が直面する分断や境界の存在に気づかせ、それらを乗り越えて、ともに考えていく未来を想像する力を与えてくれます。最新作はmissing(for sale)に代表される第一ゾーンにあります。
 また、2024年1月23日から6月30日までの予定で、美術館コレクション展が始まります。美術館コレクションギャラリー1は、「大城皓也作品 修復報告展」です。当館収蔵の大城作品は戦前戦後含めて100点を超えますが、そのほとんどが修復を必要としています。その内、修復された大城作品とともに修復過程の様子も展示し、修復をすることでどのような知見が得られたのか紹介します。コレクションギャラリー2の『大和コレクション展vol.9:アートの愉しみ(後期)』では作品を入れ替え、コレクションギャラリー3の『沖縄美術の流れ』では作品を5点ほど入れ替えて展示替えが行われています。二つの展示の個々の作品を見る時、左右、遠近を意識してみると、立ち位置で見え方が異なることに気付かされ作品の深さを実感しました。また、『沖縄美術の流れ』では音声ガイドも準備しています。
 最後になりましたが、博物館・美術館が、「知と心の交流場所」となるよう、館長として力を及ばずながらつくしていきます。みなさま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

  2024年1月
沖縄県立博物館・美術館
館長 里井 洋一
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