発見への情熱

最終更新日:2012.12.14

図1大山盛保(1912-1996)

図1大山盛保(1912-1996)

図2大山さんが収集した化石 (八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館所蔵)

図2大山さんが収集した化石
(八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館所蔵)

当館では2012年12月7日より、八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館と合同で港川人の発見者、大山盛保(おおやませいほ)さんの生誕100年を記念し、「発見への情熱」と題した企画展を開催しています。

大山さんが1970年に発見した港川人は、1万8千年前の旧石器時代のもので、4体分の全身骨格からなります。私たちが日本列島の旧石器時代人の顔つきや体つきを知ることができるのは、この港川人のおかげです。港川人は、大山さんから現代に生きる私たちへの大切な贈り物なのです。

その港川人は、些細なきっかけから発見されました。1967年11月1日、大山さんは庭に運び込まれた粟石(あわいし)に目を留め、その中に動物化石が含まれていることに気づきました。大山さんはその粟石が、具志頭村(現 八重瀬町)港川の採石場から運ばれたことを突き止め、現地に足を運ぶと、採石場の崖面に大きな石灰岩の割れ目(フィッシャー)があり、その中にたまった赤土の中に動物の化石がたくさん含まれていることを発見しました。大山さんは、動物の化石があるなら、それを追いかけてきた人の化石も見つかるかも知れないと考え、仕事の合間を縫って採石場に通いつめ、ついに港川人を発見したのです。

普通の人なら、石の中に化石を見つけても、それが何だろうとか、どこから来たのだろう、などと調べることはないかも知れません。そもそも化石に気づかない人も大勢いるのではないでしょうか。港川人は、大山さんの洞察力と信念、そして一途に物事に取り組む情熱によって発見されたのです。

主任 山崎真治

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