1. 骨スーツ、はじめました。

骨スーツ、はじめました。

最終更新日:2012.03.23

楽しそうなホネホネ人間たち。オトナもコドモも、笑顔がまぶしい。1
楽しそうなホネホネ人間たち。オトナもコドモも、笑顔がまぶしい。2

楽しそうなホネホネ人間たち。
オトナもコドモも、笑顔がまぶしい。

骨スーツの楽しさは、着ればわかる。さあ、キミも体験してみないか!?

骨スーツの楽しさは、着ればわかる。
さあ、キミも体験してみないか!?

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骨スーツ、もう体験されましたか?(注1)
骨スーツは、ヒトや動物の体のしくみを学ぶために沖縄県立博物館・美術館が開発した体験キットです。詳しくは、当館の博物館紀要4号と5号に紹介されていますが(注2)、自分がホネホネ人間になって、動物のいろいろな姿勢をとりながら、ヒトと動物の体の違いを学ぶことを目的として作りました。骨にはなぜか、不思議な魅力があります。開発者の一人である私自身、骨スーツをとても着たいと思っていました。

実は、骨格がプリントされたTシャツや水着、全身タイツ(ハロウィーングッズ)などが市販されていますが、そういう商品の多くは、骨の形がまったくなっていません(個々の商品の批判はここではひかえます)。骨ハカセの藤田学芸員としては、そういうグッズは残念でなりませんでした。そこで、沖縄県立博物館・美術館の科学的クオリティで、立派な骨スーツを作成しようと考えたのです。科学的クオリティを高めるために、埼玉県在住の骨マニア折り紙作家で骨格図画家の臼田隆行さんに原画をお願いし(注3)、那覇市在住の骨マニア服飾デザイナーの松田美奈愛さんにデザインと作成をお願いしました。

しかし、当館の骨スーツも市販のパーティーグッズと変わらぬものになったらどうしようかと、開発しながらずっと心配していました。さて、いよいよ試作品の納品日、不安と期待が入り混じった気持ちで試作品を見てみると…、なんと素晴らしい仕上がり!そのとき、骨スーツの成功を確信しました!嬉しくなって、思わず自分で着て他の学芸員や当館職員たちに見せびらかしてしまいました!
え?他の学芸員の反応ですか…? …爆笑、失笑、ドン引き…?でも、みんな「楽しそう!」と言ってくれました(きっと同情ではないはず)。

さて、最高の出来だと思っていた骨スーツですが、繰り返し活用していくと様々な問題点が見えてきました。例えば、パーツが多すぎて骨に詳しくない人は混乱してしまう(腕と脚のパーツを間違えるなど)。関節部のマジックテープがはずれやすい。パーツを固定するバンドが多すぎて着用に時間がかかり、一人で着用しづらいなどといった問題です。

そこで、今年度、全国科学博物館振興財団の助成金をいただいて(注4)、なんと新・骨スーツを開発しました!新・骨スーツでは、関節部分をマジックテープではなくスナップボタンに変え、関節の強度が高まると同時に可動性も大幅にアップしました。肘関節と膝関節をそれぞれ一体化し、パーツの軽減とともに固定用バンドを減らすことにも成功しました。さらに、体幹部のバンドもエプロン式にしたことで、一人でも簡単に着用でき、体へのフィット感も抜群に向上しました。これだけ使いやすくなって、なんとお値段そのまま!(テレビショッピング風に)(注5)きっと楽しさも倍増ですね!

博物館の展示は、楽しいことが一番ですが(と、私は思っています)、骨スーツを着ると、だれもが笑顔になります(注6)。時々、「怖い~」と泣いちゃう子もいるけれど、そういう子には、ごめんなさい。でも、本当に着てみると楽しいですよ?さあ、あなたも骨スーツを着て、ホネホネ人間になってみよう!


注1:骨スーツはこれまでに以下の企画展、イベントで活用されました。
沖縄県立博物館・美術館平成22年度博物館企画展「骨の科学」(平成23年2月4日~3月21日)
宜野湾市博物館平成23年度夏休み特別展「人類の足あと」(平成23年7月13 日~8月28 日)
沖縄県立博物館・美術館移動展in宮古島(宮古島市中央公民館、平成24年2月3~5日)
沖縄県立博物館・美術館学芸員講座「骨を楽しむ会」(平成24年3月24日)
注2:博物館紀要掲載論文は、当館HPより閲覧可能です。博物館紀要
注3:臼田氏のホームページ「t-usuda World」
注4:平成23年度全国科学系博物館活動等助成事業、課題番号11113 「モビリティの高い科学教育キットと活用プログラムの開発」 注5:骨スーツは非売品です。沖縄県博の企画展、イベント、ふれあい体験室などで楽しむことができます。学校の授業でも活用していただきたいので、貸出キット化を進めています。理科の先生、体のしくみを教えるときにはぜひ活用してください!
注6:「骨スーツに、頭骨(マスク)はないのですか?」という質問をよくいただきますが、骨スーツを着たときのみんなの笑顔を隠さないために、あえて頭骨は作っていません。素敵な笑顔の、幸せなホネホネ人間になってほしいのです。

主任 藤田祐樹

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