1. 博物館企画展「ものづくり今昔-自然の恵みを活かす-」への誘い

博物館企画展「ものづくり今昔-自然の恵みを活かす-」への誘い

最終更新日:2010.02.26

「ものづくり今昔展」会場の看板

「ものづくり今昔展」会場の看板

「ものづくりのはじまり」のジュゴン骨格

「ものづくりのはじまり」のジュゴン骨格

「ものづくりの知恵」のフィリピン苧を使った獅子

「ものづくりの知恵」のフィリピン苧を使った獅子

今の近代的な日常生活を見渡したとき、博物館で紹介されているかつての暮らしの様子は随分と遠い別世界のように見えてしまいます。また、子どもたちにとって、出来上がった布や道具を眼にすることはあっても、そのつくり方の知恵や面白さに触れることは殆どないと言っていいでしょう。 博物館特別展示室で2月16日(火)からオープンしている博物館企画展「ものづくり今昔―自然の恵みを活かす-」は、自然素材を使ってものづくりを行ってきた歴史と知恵と美しさを知ってもらおうという展覧会です。

この企画のきっかけは博物館の収蔵品を常設展とは別のテーマで紹介することでした。考古遺物、民具、美術工芸品など、時代と内容の違う博物館資料を一つにまとめるにはどうするかと考えたとき、今の生活に見えなくなってしまっている、「自然素材」を活かしたものづくりを展示にしよう!という事になりました。

展示は大きく、「Ⅰものづくりのはじまり」「Ⅱものづくりの知恵」「Ⅲ手わざの美」「Ⅳ新しい表現・新しい自然素材」の四つのテーマに分けました。それぞれのパートを人類・民俗・染織の3人の主担当、さらに考古・地質・漆芸担当の3人が加わり7人の学芸員で展示を練り上げていきました。

「Ⅰものづくりのはじまり」は沖縄におけるものづくりの最初の痕跡からスタートします。機能的な石斧や貝や骨による装飾品も楽しいのですが、魔よけの貝が今も使われていることや石斧の利用が近年まであることの視点も面白いです。

「Ⅱものづくりの知恵」は一つの素材をいろいろな用途に活かした例と素材の硬い、柔らかい、キラキラ光る、ツルツルフワフワなどの性質を活かした例、素材の形を活かした例を紹介しながら、先人たちのものづくりの知恵に触れてもらいます。

「Ⅲ手わざの美」は石積み、籠や袋の編む面白さとともに素朴な美しさを感じてもらうのが狙いです。

「Ⅳ新しい表現・新しい自然素材」で展示しているものは博物館資料ではありません。美術館で収蔵されている作品と館外からの借用資料で構成しています。現代アートはそれだけを見ると唐突に見えますが、実は個々の作品は最初の表現(ものづくりのはじまり)を追及しています。そして「自然素材」のもつパワーを作品にしています。また、新しい自然素材のプレキャスト板はこの建物の素材です。ここでは「新しい」とタイトルをつけましたが、実は昔と今が繋がることを知ってもらいたくてこのテーマにしました。

ものづくり今昔は、今は昔の意味ですが、今と昔という対比と今と昔が繋がるという意味も込められています。

この展覧会の開催の前に、「ものづくりの知恵を学ぶ体験プログラム」(主催:文化庁・文化の杜共同企業体)で中学校へ授業に出かけました((1)「骨の芸術―蝶形骨器をデザインしよう」(2)「わら算をつくってみよう」)。その様子と生徒達の作品も展示しています。

いろいろな角度から展示を楽しんでもらえると幸いです。

  • 「手わざの美」

    「手わざの美」

  • 「手わざの美」のタカラガイを使った網

    「手わざの美」のタカラガイを使った網

  • 「新しい表現と新しい自然素材」

    「新しい表現と新しい自然素材」

主任学芸員 與那嶺 一子

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